英検®︎に最短で合格するための学習プランの立て方を解説!

英検に合格するための学習プランの立て方

最短で英検®︎に合格するためには、まずは明確なプランと戦略を立てることです。

ただ漠然と英語の勉強をしていても、短期間で英検®︎に合格することはできません。

しかし「目標を立てよう」と一口にいっても、口で言うのは簡単ですが、効果的なプランを作ることは実際はけっこう難しい作業です。

ということで、今回は英語学習や英検®️合格のための目標設定とプランニングの方法に関して書いてみたいと思います。

SMARTの法則で理想のプランをたてる

効果的な目標設定であるかどうかをみる考え方として「SMARTの法則」というものがあります。

SMARTとは、以下の英単語の頭文字を並べたものになります。

SMARTの法則

S・・・Specific (具体的である)

M・・・Measurable (計測可能である)

A・・・Achievable (達成可能である)

R・・・Relevant (関連性がある)

T・・・Time-bound (期限が明確である)

この法則をどのように英検®︎対策のプランニングや英語学習に応用できるのかをお伝えしていきます。

具体的な目標を定める(Specific)

「英語を話せるようになりたい」では、英語は話せるようにはなりません。

なぜならこれは願望であり、努力目標ではないからです。目標には具体性が必要です

たとえば、英検®︎でもスピーキングのテストがあるので、その対策をすることでおのずと話す練習が必要になり、そのための能力が身についていきます。

もっと英会話力に特化した試験もあるので、スピーキング力を向上させたければ、そういった試験にチャレンジしてみてもよいでしょう。

いずれにせよ能力を高めるためには、達成したかどうかを客観的に判断するための具体的な目標設定が必要です

英語力向上のために試験は積極的に活用すべき

「試験用の英語学習は意味がない」

という批判の声はよくありますし、私も一部は同意します。

ですが、例えきっかけが試験でも、何となく英語に触れているだけよりも、遥かに英語力を高めるために効果的であることは事実だと思います。

そもそも日本人が英語を話せないのは、「話すためのテストがないから」、つまり話す必要性がないからです。

逆に高度なスピーキングを大学受験に導入するだけで、みんな必死にスピーキングの勉強を始め、話せるようにもなっていくでしょう。

話す必要性がないから話せないだけで、人は必要性が生まれればその能力を身につけていきます。

英語の試験は、「英語を学ぶ必要性」を強制的に生み出すきっかけとして利用することができるので、積極的に活用すべきだと思います。

正直、中途半端に英会話をするよりもまずは英検®️の2級や準1級レベルを目指して知識のベースを作り、その上で会話の練習をした方が習得は早いと思います。

英検®︎対策に特化している理由

当校では、英検®︎の合格を目標に定めていますが、この理由は日本で行われている試験の中で、英検®︎が一番バランスよく、学生にとってメリットが大きい試験だからです

学生のうちに英検®️の準1級以上まで取っていると、学校の成績に関係なく、英語の試験が免除される大学はたくさんあります

だったら正味な話、学校の非効率な勉強なんか無視して、学生のうちに英検®️準1級を目指して頑張った方が手っ取り早いと思っています。

また、受験だけを目指した勉強をしていると、ライティングやスピーキングのスキルは身につきにくく、実用性が少ないです。

英検®️はあくまでも勉強のきっかけを生むもので、最終的な目標は英語能力それ自体の向上を目指しています。

数字で考える(Measurable)

さて、話を戻して次はSMARTのMについてです。これはMeasurable、すなわち「測定可能な」という意味です。

簡単にいうと、目標は数字で考えて設定することが大切です

目標の期限や達成度を数字で考えることで、目標が具体化し、達成への道のりを描きやすくなります。

数値化するから改善できる

例えば、「6ヶ月後に単語を1500個覚える」「3ヶ月で過去問5回分を2周行う」というように努力目標は数値化して設定することです。

そうすると、3ヶ月の段階でどれくらい遅れを取っているのか、または進んでいるのか、修正後はどれくらいに学習量を増やさないといけないのか、などプランの修正ができるようになります。

数値化することで、達成・未達成が明確になるからこそ、次の改善につながります。

現実的な目標設定を定める(Achievable)

「英検®︎○級に合格する!」

実はこれは効果的な目標でありません。なぜなら、合格するかどうかを自分でコントロールすることはできないからです。

これだけを目標として掲げても、なかなか定めた期間内に合格することはできないでしょう。

私たちが合格のためにできること、それは日々の努力だけです。そして、この日々の努力は自分の頑張り次第で必ず達成できることです。

このような自分の努力で達成可能なこと」を目標設定にして、その達成度を測ることが大切です

自分ができるレベルを知る

たとえ目標を定めても、それが自分の負荷を超えている場合もあります。

この場合は、自分のできるレベルに調整することが必要です。

一般的に年齢が上がるほど努力できる量は増えていきますが、確保できる時間の問題や集中力の問題で、できる努力の量は変わってきます。

この「勉強の体力」をつけることはとても大切ですが、いきなり自分のレベルを超えて飛ばしても続かないので、まずは適正なレベルから少しずつ時間や量を上げていきましょう

まずはやってみる

とはいえ、自分の努力できる量は考えて分かることではありません。

実際にやってみて、どれくらいできたかどうかを毎回客観的に判定し、修正と改善をしていくことが大切です。

これは慣れや習慣の問題でもあります。

初めから自分の体力や集中力を理解することは難しいので、やりながら得意なこと不得意なこと、できることできないことに気付きつつ学習を進めていきましょう。

この点、先生やコーチのように客観的にそれを判断してくれる人がいると、より改善はしやすくなります。

無茶な目標を立てるのではなく、「自分の努力で無理なく達成可能な目標」を設定し、日々コツコツと取り組むことが大切です。

合格に必要なことをする(Relevant)

SMARTのRはRelevantの頭文字です。これは「関連のある」という意味の英単語です。

正しい努力をしなければ、一生懸命頑張ってもただの無駄な作業になりかねません。

最短で目標達成をするために、意味のある努力をすることが大切です

まず現状把握から

合格のために必要なことは、まずは自分の現在の英語力を把握することです。

その上で、特に苦手なものを重点的にトレーニングする学習プランを作りましょう。

例えば、リスニングが苦手なら、リスニングの学習時間を多く取るようにします。

このように、目標に直結する努力に選択と集中をすることで、効率的に英検®︎合格に必要な英語力を向上させることができます。

過去問と準拠教材を使う

また、教材として一番活用すべきなのは、英検®︎の過去問です。その他の補助教材は英検®︎を主催している旺文社の単語帳などを利用しています。

過去問を解いたり、試験に特化した教材を使用したりすることで、試験の流れや問題の種類、時間配分などに慣れることができます。

問題のパターンや勘所もわかってくるようになります。

試験というのは単に英語力だけではなく、「受かり方」もありますので、しっかりと問題傾向にあった対策を立てていくことが大切です。

半年目標、月目標、週目標を設定する(Time-bound)

Time-boundとは「期限がある」という意味です。

人には「期限が決まらなければ、やる気はでない」という心理があります。

英検®️の場合は試験日が決まっているので、それを基準に考えれば良いですが、実質いつでも受けることができます。

ですが「いつか受かるだろう」では、いつまで経っても受からないというのが常なので、「この時に絶対受かる」という決心を持ち、そこから逆算して学習プランを考えていきましょう。

私の授業では、半年間の中長期目標、月目標、週目標の3段階で目標設定をしています。

半年目標

英検は約3ヶ月〜6ヶ月のスパンで試験が実施されています。

最近は毎月PCで受けられる、英検®︎S-CBTというのもありますが、やはり前回の受験から3ヶ月くらいは明けてから受験をすることをお勧めします。

まずは、3〜6ヶ月単位で何級に合格したいかの目標を立てて、中長期的に考えていきます。

月目標

半年後の目標を達成するために、毎月どのくらいの単語を覚える必要があるか、どのくらいの課題をこなす必要があるかなど、月ごとの小さな目標を設定します。

これらはすべて単語数やページ数や問題数など、数字で目標設定を行います

週目標

先ほどの月目標を達成するために、毎週どれくらいの学習量が必要か、どの単元をどれくらい理解する必要があるかを計画します。

週単位での目標設定は、日々の学習活動を具体的にし、モチベーションの維持にも役立ちます

私の授業では、私が一方的に宿題や課題を決めるのではなく、半年目標や月目標に基づいて、「何をどれくらいすべきか」を生徒自身でも考えさせるようにしています。

自分で考えて、自分で目標設定をしなければ、当事者意識が生まれないからです。

また自分でプランを考えられるようになれば、英語以外の学習にも応用することができるようになります。

生徒たちを単に私のいうことを聞くロボットにするつもりはありません。

自分で考えて自分で行動する自立した人間になって欲しいと思っています。

プランの見直しをする

ここまでプランの立て方について話してきましたが、プランというのは、ほぼプラン通りには行かないと考えておいた方が無難です

ではそれでもなぜプランが必要なのかというと、学習プランを立てることで「目的意識」が生まれるので、集中力が高まり、結果的に努力量も多くなるからです。

またあらかじめ見立てを立てておくことで、次の改善案を考えることにもなります

むしろこの心理的な効果を生むために学習プランが必要なので、プラン通りに行かなかったことで自信を失ったりする必要はありません。

プランにズレが出てくれば、その分次の課題を増やしたり、切り捨てていくところを決める判断したりして、修正をしていきましょう。

その度に自分の今の進捗度合いをリセットして考えることが大切です。

まとめ-自分でプランを立てられる大人になろう!

さて、今回はSMARTの法則に基づいた効果的なプランの立て方について紹介しました。

私の授業でもこれらの原則に則って、生徒たちと学習プランを立てることをしています

また、この作業を通じて生徒たちに一番分かっていただきたいのは、

「自分でプランを立てられる大人になろう」

ということです。

勉強だけでなく、最終的には社会に出たときにこの力は大切になってきます。

自分で考えて自分で計画を立てて自分で実行できる人は、何をやってもその場で求められる人間になることができるでしょう。

英語の勉強を通じて、子供たちには自分で勉強や仕事のプランを立てる方法を学んでいただきたいと考えております。

P.S.

現在見ている小学4年生の生徒の話ですが、最初はひとつずつ学習プランの立て方を説明していましたが、最近では自分で6ヶ月先の予定を自分で立てられるようになっていました

こちらが何も言わなくても、最初の予定がうまく行かなくなったときにこうやってリカバリーするといった、プランBまで予定に組み込んでいたことには驚きました。

私よりも計画の立て方が上手いかもしれません笑

やはりそういう子は進歩の速度も速いです。

小学生でもやり方を教えたり、意識を向けさせるとそのように変化していきます。

みんなでに当てはまるわけではありませんが、いずれにせよ目標設定というのはとても大切なスキルなので、英語学習と合わせて学んでいただければと考えています。