2024年度英検®︎2級の要約問題 チャットGPTに作らせた問題がほぼ的中しました!

英検®︎は2024年度からリニューアルされ、リーディング問題が一部削除され、新たにライティングパートに「要約問題」が追加されました。

これによりリーディング中心の試験から、ライティングへの比重が高まることになりました。

この新たに追加されたライティングの要約問題ですが、サンプル問題として公式に公開された問題が1問だけだったので、新しく追加された要約問題への対策が不十分だった受験生は少なくなかったと思います。

サンプル問題からチャットGPTに模擬問題を作らせてみた!

サンプル問題が1問しかないため、市販の教材では新傾向対策が不十分となってしまいます。

そこで、チャットGPTを使ってサンプル問題から模擬問題を生成してみることにしました。

プロンプト(チャットGPTへの指示文)の作成には意外に苦労しましたが、かなりサンプル問題に近い問題を12問作成できました。

クオリアでは、この模擬問題を用いて生徒たちは要約問題対策を行っておりました。

本番でほぼ同じ問題が出題される!

そして、なんと驚くべきことに、今回(2024年度第1回目)の試験で、チャットGPTで作成した模擬問題と、試験で出題された要約問題がほぼ同じ内容で出題されました。

今回出たテーマは「オンライン教育のメリットとデメリットについて」。

生成した問題の一つがまさにこれと同じテーマのものがありました。

原文を載せると良くなさそうなので、日本語訳のみ載せて比較してみます。

英検®︎2級 本試験 要約問題

学生が大学に行くとき、通常はキャンパスに行って他の学生と一緒に授業を受けます。しかし、家からオンライン授業を受けるという別のタイプの授業もあります。

これにはどんな利点があるでしょうか?オンライン授業は、キャンパスから遠く離れて住んでいる学生にとって便利です。なぜなら、長時間移動する必要がないからです。さらに、録画されたオンライン授業の場合、学生は何度も授業を繰り返し視聴することができ、その結果、よりよく授業を理解することができます。

しかし、一部の学生はコンピューターやインターネット接続に問題を抱えることがあり、それがオンライン授業をスムーズに受けることを難しくします。また、学生がキャンパスに行かない場合、他の学生と直接顔を合わせて話す機会が少なくなります。これにより、一部の学生は孤独を感じることがあります。

(2024年度第1回 英検®︎2級 P.12より引用)
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2024-1-1ji-2kyu.pdf

チャットGPTが生成した模擬問題

チャットGPTが作成した模擬問題

Nowadays, education is changing a lot because of the internet. Many students are taking online classes instead of going to school. This is because you can learn from anywhere and sometimes it's cheaper.

One good thing about online classes is that they let you learn at your own pace. If you find something hard, you can spend more time on it. Or if you already know something, you can move on quickly. This can make learning better for a lot of students.

But, there's a problem too. Learning online means you don't meet your teachers or classmates face to face. This can make it hard to ask questions or get help when you need it. Also, some students might feel lonely or miss the fun of being with others at school.

今日、インターネットの影響で教育は大きく変わっています。多くの学生が学校に通う代わりにオンライン授業を受けています。これはどこでも学べるためで、時には安価だからです。

オンライン授業の良い点は、自分のペースで学べることです。難しいと感じる部分には時間をかけられ、すでに知っていることは早く進められます。これにより、多くの学生にとって、学習をよりよく進めることができます。

しかし、問題もあります。オンライン学習では、先生やクラスメートと直接会うことができません。これにより、質問したり助けを得たりするのが難しくなることがあります。また、一部の学生は孤独を感じたり、学校で他の人と過ごす楽しさを失ったりすることもあります。

両者を比べてみていかがでしょうか?

オンライン授業のメリットとデメリット」という点はドンピシャで出題されました。

メリットは「自由に学べること」や「どこでも学べること」、デメリットは「他者との交流が減り孤独感を感じてしまうこと」などが一致していましたね。

大体、7割ぐらいの適合率で、形式的にもかなり精度の高い模擬問題が作れたのではないかと思います。

チャットGPTは、言葉通り日進月歩で成長しているので、今だとさらに精度の高い問題が生成できるかもしれません。

中学2年生が一次試験を突破

実際に良い結果も出ており、この模擬問題集を使って対策をした中学2年生が一次試験を見事に突破できました

私自身初の試みであったため、どこまで上手く対策ができるか不安でしたが、試験後に話を聞いてみるとほぼ傾向は同じであったため、余裕を持って問題を解くことができたという報告をいただけました。

さらに小学3年生で3級に一次合格した生徒もおりました。同様に新傾向として追加されたメール文問題をチャットGPTで模擬問題を作って対策をしましたが、見事に合格してもらうことができました。

ライティング問題は、すごく力がある生徒であれば即興で対応できるかもしれませんが、多くの生徒にとってきちんと対策を立てていないとかなり難しいと思います。

(実際、今回の試験でもライティングまで対策ができずに試験を受けた生徒たちは、要約問題でほぼ何も書けないという結果でしたので、、、)

2次試験は現時点でまだ結果が分からないのでどうなるかは分かりませんが、新傾向のライティング問題対策としてチャットGPTは大いに活用できると確信できました。

たくさんの演習が英検®︎短期合格の秘訣

英語はノウハウとかコツとか以上に、どれだけ多く問題をこなすかどうかが重要です。

もちろん解きながら要約文の作り方のコツは伝えていますが、ペンを動かさずにノウハウだけ知ったところで意味がありませんし、英語は書けるようにはなりません。

英語というのは、勉強よりもむしろスポーツに近いものです。

座学をいくらしてもスポーツの技術は成長しないように、英語も教科書を読んだり、授業を受けているだけでは成長しません。

試験の傾向に沿ったたくさんの問題演習を通じて、自分なりに感覚を掴めるようになっていくことが英語を身につける上で大切です。

英作文問題への応用

さらに、チャットGPTは従来型の英作文問題においても有効です。

これは類似問題の無限に生成できるだけではなく、添削においても大いに活用できます。

アウトプットの能力を伸ばす上で大切なことは、自分の言いたいことをどう英語で表現すれば良いのか、そのパターンや語彙や表現を増やしていくことです。

そのためには普段から何でも思いついたら調べる習慣が重要です。

これまでは人間の先生にいちいち聞いたり、ネットで調べなければなりませんでしたが、チャットGPTを使えば、瞬時に答えが返ってくるようになりました。

文法の添削だけでなく、より高度な表現や洗練された言葉の使い回し、細かい言葉のニュアンスの違いなども聞くことができるため、ライティングにおいては人間の先生より優れていると思っています。

とにかく書いて(話して)、何かに詰まったら、その表現を聞いて覚えてを繰り返すことが一番効率の良い英語のアウトプットの伸ばし方だと思います。

ただ、チャットGPTを活用すべきなのは2級以上くらいからで十分かもしれません。

まとめ

今回、実験的にチャットGPTを使って模擬問題を生成して要約問題の対策をしてみましたが、かなり良い成果となったのではないかと思います。

少し今は滞っているのですが、最初のボキャブラリー問題やリーディング問題まで模擬問題を大量に生成できるようなオリジナルGPTも作成中です。

これらを使えばかなり効率的に英検®︎対策はもとより、英語力の向上に繋げられると思うので、今後とも実験をしていきたいなと思っています。

ちなみにこちらの要約問題集は、外部の方にはココナラで販売しております。(生徒たちには無料で配布しております)

英検2級ライティング要約問題集販売します 2024年度から新しく入る要約問題のサンプル問題集 計12問