ChatGPTを使った英検®︎対策法を4つ紹介します!

ChatGPTを英検®︎対策で使える4つの方法

最近、ChatGPTを始めとするAI技術に興味があり、英語学習にどう活かせるかどうかを考えています。

一部の生徒にも試してもらいながら検証中ですが、今回は私自身の学習方法と活用してみた事例についてお話します。

今のAI技術はまだ発展途上で、まだ十分ではない部分もありますが、使える部分も多くなってきているので、AIを活用することで英語学習はかなり効率化できるようになるでしょう。

この記事では、AIを英語学習や英検®︎対策にどのように活用していくのか、その方法の一例をご紹介します。

そもそもAIとは?

AIというのは、Artificial Intelligenceの略で日本語では「人工知能」のことです。

この機能を私なりの解釈で端的にいうならば、

既存の情報(データ)の中から、人間の指示に応じて、パターン化して取り出す技術

と言えます。

例えば、ピカソの絵をAIにインプットし、「ピカソっぽい絵」を書かせたり、音楽でもビートルズの曲をインプットし、「ビートルズっぽい曲」を作成することができます。

AIが作った曲はYoutubeでも聴くことができます。

初期のビートルズサウンドですね笑

AIの言語学習の仕組み

英語(自然言語処理)に関していうと、ChatGPTのようないわゆるチャットボットは、大量の英文を元に文法的、文脈的パターンを見出して、人間の言葉に反応するようなシステムになっているのです。

例えば、

「”listen”というワードが来たら、次は”to”が来る可能性が高い」と予測し、そうでない場合にエラーが出ます。

また”to”の後は、”music”,”me”などのワードはよく来るが、’’the apple”(すなわち "listen to the apple")という文は今までに存在していないので、エラーであるという判定をしています。

そのような文章になる可能性は0%ではないので、時にはAIが間違っていることもあります。

しかし、外国語の能力(日本人にとっては英語)で比較するならば、もはや私たちの言語能力を超えていると言えるでしょう。

これからの社会と教育にAIは切っても切り離せない

これからの社会はますますAIが進歩することによって、社会も教育も変わらざるを得ません。

社会の変化は技術の変化よりも遅くなるので、まだまだ学校も会社も変わらないでしょうが、だからこそこの変化にいち早く気づき、実践を始めた個人が得をする時代になっているのがまさに今だと思います。

当然教育においても、これからの社会のことを考えるのであれば、子供たちにはAIとの付き合い方を考えていかなければなりませんし、教えていかなければなりません

私の英語教育でも、いち早くこのAI技術(ChatGPT)を取り入れていきたいと考えております。

英語学習において、今のAIができること

さて今の段階で、英語学習でどのようにAIが使えるかというと、私が今確認している範囲でこれらのことができます。

ChatGPTが英語学習においてできること

  • 翻訳
  • 英会話練習のためのロールプレイング
  • 語彙学習(類義語、対義語、語法、例文を教えてくれる)
  • 英文の添削(内容、文法ともに)
  • 試験の過去問に類似した問題の生成
  • 文法学習

※ 他にもまだまだ多くの可能性が残されています

ChatGPTはまだ音声でアウトプットすることができないのでリスニングは難しいですが、ボキャブラリー、リーディング、ライティング、スピーキング練習には十分な機能を持っていると言えます。

ただ、おそらく近いうちに音声機能も追加されると思うので、そうなるとChatGPTを用いて完全に英会話のようなやりとりもできるようになるでしょう。

これからの教育は先生の役割が変わる

AIを活用することができれば、もはや旧来型の全体授業や先生や教科書は必要ではなくなります。

個人によってやるべき課題は異なるので、もっと個人個人が自分のペースで学ぶようになった方が遥かに効率的と言えるでしょう。

では、AI時代における先生とはどういう役割を果たすべきになるのでしょうか?

それは、

AI時代の先生の役割

  • 英語の学習方法およびAIの活用法の指南
  • 学習プランの作成支援
  • 学習状況のの確認
  • AIで解決できない個別の質問対応

といったことになるでしょう。

すなわち、「英語を教える」と言うよりも

英語の学び方を教えて、実践できているかどうかの確認をする

のがこれからの先生のあり方だと思います。

私の個別指導でも学習の効率性を重視しているので、こういった教え方や役割を意識しています。

まだコンピューターを十分に使えない年齢の生徒も多いので、対面で教えることも多いですが、できる限り自発的に生徒が学んでいける仕組みを作っていきたいと考えています。

英検®︎1級の二次試験対策に使ってみた

さて、ここからが本題ですが、私も今学習中の英検®︎1級の2次対策にChatGPTを使ってみたのでその実例をお見せします。

1級の2次試験では社会的な問題について問われ、それに対して瞬時にアンサーをしなければならないので、ある程度の内容を想定して準備しておく必要があります。

そのモデル例文を作成するために、ChatGPTを使ってみました。

今回のクエスチョンはこちらです。

Q.Which is a bigger threat to society, violent crime or cybercrime?
(暴力による犯罪とサイバー犯罪はどちらの方が社会にとって脅威か?
)

この問題のサンプルアンサーをAIを活用して作ってみました。

言いたい日本語を瞬時に英語に翻訳

まずは単純な機能ですが、「〜は英語でなんと言えば良いですか?」と質問をすれば、瞬時に英語に翻訳して返してくれます。

「他の役(訳)」というのは、いまいちAIの訳にしっくりこなかったので別の言い方を教えてもらいました。
(ちなみに、役という漢字を間違えていますが、今のAIはこの程度の間違いは気にせず理解してもらえます。)

ChatGPTを使うことの懸念点について

ただ、こういうことをすると、

翻訳機に頼りきってしまい英語が身につかないのでは?

と心配する方もいるかもしれませんが、確かに、ただ表示された英語をコピー&ペーストしているとそうなります

そうではなく、ChatGPTが吐き出した英語を、

ChatGPTを学習に使うポイント

  • どの日本語がどの英語に対応しているか?
  • 使われている文法や構造はどうなっているか?

という観点でよく観察すれば、英語の発想の理解につながります。

この辺りは子供だけでAIを使っても、ただコピーするだけで終わってしまいがちなので、指導者による監督が必要な部分だと思います

調べた言葉はきちんとノートにメモを取るなどの作業をした方が良いでしょう。

ここでは、

・〜で成り立っている → be built on 〜

・〜が盗まれる → having 〜 stolen

・〜の崩壊 → the disruption of 〜

という表現を私も学ぶことができました。

実践的なボキャブラリー学習に活用する

ボキャブラリー学習にもChatGPTは大いに活用することができます。

ここでは3つの活用方法を紹介します。

ボキャブラリー学習法1.単語の意味を聞く

シンプルに単語の意味を聞けば、詳しく教えてもらえます。

もはやいちいち辞書を引く必要はありません。

ただこのままスルーしてもあまり効果的ではないと思うので、英語ノートにきちんとメモをとる、といった学習はきちんとやらせるべき(初学者のうちは特に)と思います。

ボキャブラリー学習法2.言葉の使い分け方や微妙なニュアンスの違いを聞く

英単語というのはただ日本語訳を覚えただけでは使えるようにはなりません

日本語では同じような訳がされても、イメージが異なる英単語は数多くあります。

日本語にはない(日本人には理解できない)言葉の使い分けもあります。

今回は“communication”と”communications”には一体どういう違いがあるのか、疑問に思って聞いてみました。

いわゆるコミュケーションは”communication”と表すのが良いようですね。

一方の”communications”は伝達手段(主にメディア)のことを表すというのは私も知りませんでした。

ただ、この回答は小学生には理解が少し難しいかもしれないので、大人のフォローアップが必要です。

ChatGPTは、

小学生でもわかる言葉で教えて

と指示を出すとより簡単な言葉遣いに言い換えてくれます。(今回は試していません)

ボキャブラリー学習法3.類義語をレベル別に聞く

英単語学習で、類義語をたくさん知っておくことは大切です

英語では、文章の中であまり何度も同じ言葉を使うのはかっこ悪い(洗練されていない)という決まりがあるからです。

英検®︎の英作文でも、採点ポイントとして「語彙」があり、これもあまりにも簡単な言葉遣いや繰り返しの使用は減点対象となります。

当然、理解をする上でもたくさんの語彙を知っておいて損はしないので、アウトプットをしながらも類義語の学習をすると一石二鳥です。

今回は「悪い」の類義語(synonyms)を聞いてみました。

これらの語彙も少し今回のテーマに相応しくないと思ったので、もう少しレベルを上げて聞いてみました。

C1というのはCEFRという国際的な英語力の水準を表しています。(英検®︎1級はC1レベルに該当。ちなみにこのCEFRはA1,A2,B1,B2,C1,C2の6段階があり、左から右にかけてレベルが高くなります)

このように語彙のレベルを指定して段階的に学ぶこともできます

添削と文法の指導をしてくれる

これまでは英文の添削は先生の仕事でしたが、1人の先生に対して複数人の英文添削はかなり過酷な仕事で、十分な量をこなすことは実質的に不可能でした。

ChatGPTを活用することで、学習者は自分で英文の添削をすることができるようになります。

続けて、「どこに修正点があったのか?なぜそうなるのか?」を聞くと詳細を文法的な解説と共に教えてもらえます。

ここも生徒によってはただ回答を写すだけで終わる可能性もあるので、先生が理由も含めて理解できているかどうかの確認をする必要はあります

最終的な内容の確認

最終確認として、文法的にだけでなく、内容的にも整合性があるかどうかを判定してもらえます

実はAIというのは、文の意味を人間のように理解しているわけでないので、最終的には人間の確認が必要です

ですが、このように自習レベルで使うことは十分にできます。

今回使用したプロンプト集

私もChatGPTの使い方についてはまだ学習中なのですが、ChatGPTはプロンプトという命令文をどう入力するかが大切なようです。

プロンプトの書き方が上手くなければAIから上手く答えを引き出すことはできません。逆にこの能力が高ければ(コツを身につければ)、自分は何も知識がなくてもAIに上手く仕事をさせることができるようになります。

すなわち、これからの人間の仕事は、「AIにうまく指示を与えられること」になってくるでしょう。(再現するための知識や技能はAIが代替するようになってきます) 

さて、今回、私の方で使用したプロンプトをまとめてみましたので、もしChatGPTを英語学習や英検®︎対策で活用する際に参考にしてもらえればと思います。

今回使用したプロンプト集

  • 以下の文を英語に翻訳してください。
  • 〜は英語でなんと言いますか?
  • 「○○」と「○○」はどう違いますか?
  • 「○○」を意味する英単語をいくつか教えてください。(語彙レベルの指定も可能)
  • 「○○」の類義語を教えてください。
  • 以下の文章を文法的に添削してください。またなぜそうなるのかも解説してください。文法的に正しいところはそのままにしておいてください(これを入れなければ、正しい箇所も勝手に変更される)。
  • 以下の文章は質問に対する答えとして正しいですか?

今回の記事は以上になります。参考になれば幸いです。

また新しい発見があれば記事にしていきたいと思います。