英語教育に革命的な変化が!ChatGPTを使って英検®︎ライティング対策をする方法を紹介します!

Contents
  1. 2024年度から英検®︎はライティング対策がより重要になります
  2. なぜ英検®︎ライティング対策にChatGPTを活用すべきか?
  3. ChatGPTを使った英検®️ライティング対策の実践方法
  4. まとめ

2024年度から英検®︎はライティング対策がより重要になります

英検®︎は2024年度よりー級で英作文問題が1問から2問に増えることが決まっています。

これにより英作文の得点配分が増えるので、アウトプットの能力が高ければ受かりやすくなり、逆にライティングができなければ受かりにくくなってしまうということです。

この変化を受けて、私の授業でも今後はライティングやスピーキングに時間を多く割いていこうと考えております。

アウトプットは教えるのが難しい

一方で、ライティングとスピーキングといったアウトプット力は教えるのが非常に難しい分野でもあり、私もどのように指導すべきか長年悩んでいたところでもあります。

一般的には問題を生徒に書かせて、添削をし、再度やり直してもらうという方法ですが、毎週1問しかこなせないのはあまり効率的とは言えませんでした。

また指導者側も答案をひとつずつ添削をするとなると、非常に手間もかかるため、集団授業ではライティングのスキルアップにおいて十分なケアができていないのが実態です。

ChatGPTは日本人の発信力を高める救世主となる!?

このように日本人がアウトプットを苦手とするのは、適切な指導が難しく、また十分な練習ができてないこと(要はトレーニング不足)だと思っています。

そして、その問題を解決することができるのが、今話題のChatGPTです。

なぜなら、ChatGPTを活用すれば、自学自習ができるようになり、それにより「量稽古(大量のトレーニング)」ができるようになるからです。

今までは英語の自学自習をする上で、いろいろと面倒だったり、できなかったことがChatGPTでできるようになっているので、今回はその機能を紹介したいと思います。

なぜ英検®︎ライティング対策にChatGPTを活用すべきか?

このChatGPTは英語教育のみならず教育全般のあり方を変える可能性を秘めています。

英語学習に関して言うと、ChatGPTは今の段階でもこのようなことができます。

ChatGPTで出来ること

  • あるトピックについての論点を教えてもらえる
  • 英単語やフレーズ、使い方も含めて教えてもらえる
  • 作成した英文の添削をしてもらえる(文法的、内容的にも)
  • 過去問をベースに模擬問題を生成してもらえる

1,2.トピックの論点や、単語や文法の知識を教えてもらえる

これまで英語やライティングの内容の知識を学ぶには授業を受けたり、参考書を買って読む必要がありましたが、それらは実質もう必要はありません。

教科書的な話は、ほぼすべてChatGPTに聞けば教えてもらえる時代になったからです

参照はインターネット上の情報を元にしているので、頻繁に更新される情報でなければ(つまり教科書的な情報)はChatGPTは網羅しています。

こうなったら、もはや学校や教科書や受験というものの存在意義ですら、疑問視せざるを得ませんが・・・

3.作成した英文の添削をしてもらえる(文法的、内容的にも)

これも人間よりもChatGPTの方が情報も多く、文法的にも正確です

ChatGPTはウェブ上で人が使っている言葉をデータとして処理をしているため、とてもナチュラルに言葉を解析したり、生成することが可能です。

一人の人間よりもはるかに多くのデータベースに基づいているので、質・量ともにすでに人間を超えているといっても過言ではありません。

さらに今もなおその学習を続けていて、進化している途中です。

単に言葉を置き換えるだけの翻訳とは違いますので、文脈の理解もできます。これがChatGPTの最大の特徴です。

4.過去問をベースに模擬問題を生成してもらえる

AIの得意分野は過去のデータのパターン把握ですので、過去問からパターンを見出して同じような傾向の問題を作成することができます。

英検®️のライティングのような問題を大量に作り、できるだけ多くの問題にあたることができます。

無料版のChatGPT3.5はちょっと微妙ですが、有料版のChatGPT4はライティングやスピーキング問題に関してはかなりクオリティの高いサンプル問題を作ってもらえます。(後で紹介します)

もはや英検®︎をHACK(攻略)したと言っても過言ではないのではないでしょうか笑

英検®️対策に限らずChatGPTの使い方を理解しているかどうかで、他の科目においてもかなり学習効率が変わってくると思います。

もう英語の先生はいらない??

ChatGPTでできることをもう一度まとめます。

ChatGPTで出来ること

  • あるトピックについての論点を教えてもらえる
  • 英単語やフレーズ、使い方も含めて教えてもらえる
  • 作成した英文の添削をしてもらえる(文法的、内容的にも)
  • 過去問をベースに模擬問題を生成してもらえる

今まで先生がいなければ難しかった以上のことが、ChatGPTを使えば一人でできるので(特に添削が重要です)、たくさんのアウトプットトレーニングが一人でできるようになりました。

※ AIの合成音声もかなりリアルなので、英会話の練習もできます

では、実際にChatGPTを用いて英作文問題の対策法をお伝えしていきます。

ChatGPTを使った英検®️ライティング対策の実践方法

どういう風にChatGPTを使うことができるのかの実例をお見せしていきたいと思います。

ライティング問題の意味をきちんと理解する

英検®︎のライティング問題は、英語を書く力を試すためのものですが、そもそも質問文の意味が分からず、そこでつまずく生徒も少なくありません。

質問の意図を間違えて理解したり、いい加減に書いてしまうと当然合格点を取ることはできません。

本番でそうならないように、普段からしっかりとボキャビル(語彙学習)をすることはライティングのためにも必要不可欠です

ChatGPTに知らない単語を聞いてみる

たとえば、英検®︎2級の2023年度第3回の問題はこちらでした。

Today, some companies have online interviews for people who apply for jobs. Do you think this is a good idea?

引用元:英検®︎2級の過去問・試験内容

おそらく準2級に合格したての生徒だと “apply for”の意味がわからない場合があるのではないかと思います。

この”apply for jobs”とは「仕事に申し込む、応募をする」という意味ですが、これを実際にChatGPTに聞いてみましょう。

このように例文も含めてすごく丁寧に教えてもらえます。

ちなみに、”apply for”はTOEICでもよく出てきますし、将来の留学や海外での求人応募の際にも出てくるので、必須単語(フレーズ)です。名詞形の”application”(応募)も大切です。

ChatGPTはボキャビルにも大いに活用できるので、また別の機会にまとめたいと思っています。

質問自体を訳してもらう

単語はわかったものの質問自体の意味が分からない場合もあります。

文法や読解力の不足が原因ですが、そういうときは仕方ありませんので文自体の意味をChatGPTに聞いてみます。

もちろん、これは最終手段であり、毎回すべて聞くことを勧めているわけではありません。

必要最低限の活用に留めるべきですが、独学の際にどうしようもない場合はこのように活用することができます。

何を書けば良いかわからない時

質問文の意味は理解できたものの、多くの生徒がつまずくのが

「何を書いたらいいか分からない」

という問題です。

特に英検®︎2級レベルになってくると、英作文が「社会的なテーマ」を問うようになってくるので、政治、経済、環境問題、科学、歴史などある程度の一般教養が必要になってきます。

普段から社会のことにも興味を持って知識の幅を広げたり、自分の考えを持っておくことが大切です。

とはいえ、世界のあらゆるジャンルでそれをすることはできないので、当然自分の全く知らないテーマについて問われる問題も出てきます。

こういう時でもChatGPTは大いに活用できます。

書くべき内容について聞いてみる

自分の知らないテーマで書く内容が見当たらない場合、それについてChatGPTに聞いてみましょう。

ChatGPTは良くも悪くも、教科書的な回答をするのが得意ですので、とても学校の試験や受験向きと言えるでしょう(悪く言うと、クリエイティブな返答は出てきません)。

自分の知らない問いやテーマについて聞いてみると、標準的な答えを返してくれるので、一般教養や教科書的な回答を学ぶ上でも大いに活用できます。

メリットとデメリットを聞いてみる

今回は先ほどの問題を例に挙げて、使い方を見ていきます。

Today, some companies have online interviews for people who apply for jobs. Do you think this is a good idea?
(今日、求人の応募者に対してオンラインでインタビューを実施する会社もありますが、これはいいことだと思いますか?)

引用元:英検®︎2級の過去問・試験内容

ここでChatGPTにそのまま尋ねるのではなく、断片的に聞くことが大切です。(質問文のことを「プロンプト」と言います。この「プロンプト」をどう設定するかもChatGPTを使う上で重要になってきます。)

今回は

「オンラインインタビューのメリットとデメリットを教えて」

と聞いてみます。

ChatGPTの答えは以下のようになりました。

英検の問題は理由を2つ書く必要があるので、この中から2つを選んで参考にすると良いでしょう。

自分が理解・納得できて書きやすそうなものを選べば良いです。

分かりやすく説明してもらう

ただChatGPTは少々固い文体のため、メッセージが難しい時があります。

こう言う時は、このプロンプト(指示文)を与えると、分かりやすく言い換えてくれます。

「分かりやすく説明して」など言えばこう言うふうに返してくれます。

ちょっとフランクすぎて面白いですが笑、これなら分かりやすいですね。

まさにここに書いてあることを英文にすれば、今回の問題の回答として十分合格点を取ることができます。

この内容をノートにまとめて、それぞれの意見や考え方、理由を整理して覚えておくと将来的にも役に立つでしょう(準1級や1級でも傾向は同じです)。

ChatGPTを使って英文を考える

さて、まずは答えの内容を考えることからはじめてきましたが、いよいよアイデアを英語にしていきます。

もちろん、英語でパッと思いついてそのまま英語で書けるなら問題ありませんが、やはり書いている途中で

「〇〇ってなんていうんだろう?」

と思うことがありますよね。

それを一つ一つ学んでいくことが英語の勉強ですから、この地道な作業をしながら英語の表現力を増やしていきましょう

ではChatGPTを使った実際のやり方をみていきます。

ChatGPTに英単語やフレーズを教えてもらう

ChatGPTはいきなり日本語の全文を英語に置き換えることも可能です。

ですが、それをやると英語で考えなくなってしまうので、単語やフレーズ単位で聞いていくことをお勧めします

今回で言うと、

「面接を行う」

これを英語でなんと言うか聞いてみます。

なかなか日本にいながら”conduct”や”hold”をこのように使うことはないので、やはり聞く必要がありますね。

コロケーションについて

少し話がそれますが、言葉を学ぶ上で大切な考えである「コロケーション」について話しておきます。

コロケーションとは「よく一緒に使われる言葉の組み合わせ」のことです。

そもそもChatGPTがなぜ自然な英語や日本語を使えるのかと言うと、このコロケーションを言語処理において重視しているからです。

たとえば、

「する・行う」を表す英語は

  • do
  • play
  • practice(実践する)
  • try

などがありますが、これらを”a job interview”と組み合わせることは自然ではありません。

“interview”と組み合わせて使う「する・行う」は、英語では”conduct””hold”になります

ですので、実際に使う自然な英語を学ぶには、今回のように”conduct an interview”,”hold an interview”とフレーズで理解することが大切です。

逆に言うと、単語帳などで単語だけを覚えて組み合わせ使おうとしても不自然な英語になってしまうということです。

このようなアウトプットを通じて言葉の自然な組み合わせ・使い方(コロケーション)」を学ぶことが実用的な英語学習において大切です。

読む・聞くだけでなく、実際に自分で英語を作ってみることは、このような気づきが得られるため重要になります。

そのまま日本語の文章を訳してもらう

当然ですがChatGPTは、日本語の文を英文に変換してもらえます。

他の翻訳ツールとの違いは、文脈や先ほどのコロケーションを重視しているところなので、今までの翻訳ツールよりもより正確なアウトプットをしてもらえます。

「オンラインインタビューは家からも参加できるので、面接の場所や時間に縛られずに済む」

というのを丸々英語にしてみましょう。

※注意 実際はこのやり方はお勧めしません

ただ実はこのやり方はお勧めしていません。

なぜかというと、自分で英語を作る考え方が身につかないからです。

以上の文は、かなり洗練されているので、生徒がこんな英文を持ってきてもツールを使って作った文であることはすぐに分かります。またこんな文を今後も自力で作り出せるとも思いません。

今後のことも考えて学んだことを応用力をつけるためには、単語、フレーズ単位で質問し、それを組み合わせる方法は自分で考えることが大切です。実際の指導もそうしております。

英語を学ぶというのは、「英語の考え方(フレームワーク)を理解する」ということです。

単語やフレーズが思いつかないのは知識の問題ですが、このフレームワークは理解と習慣の問題なので、習得に時間はかかりますが応用が効くようになります。

英語学習の考え方として、知識よりも「英語の考え方」を理解するようにしましょう。(英語のフレームワークや考え方は授業の中で繰り返し教えています

自分で考えた英文をChatGPTに添削してもらう

さて、今回の問題の解答にあたる英文を私の方で作成してみました。

理由の部分のみで、前後の意見表明、まとめの部分は割愛しています。

ライティング問題 回答例

Online job interviews are convenient for both interviewers and interviewees.They can conduct a job interview in the office, at home or even a cafe.They can save their time and cost for transportation.

(オンラインインタビューは面接官と応募者の双方にとって便利である。会社や家やカフェですら面接を実施することができる。それは時間や交通費の節約になります。)

Second, it’s easy to record and review later.Companies can use the video to evaluate the candidates.The video can be shared with other members of the company even if they didn’t attend the job interview.Thus, it’s beneficial to select appropriate employees.

(第二に、オンラインインタビューは録画したり、後で見返すことが簡単だ。会社は応募者を正しく評価するためにその映像を使うことができる。映像は出席していない会社のメンバーと共有することもできる。採用者を正しくを選ぶ上で有効だ。)

こちらをChatGPTに聞いて文法的に添削してもらいましょう。

壊滅的な文法エラーを指摘されなければよいが、、、と思ってドキドキしながら聞いてみました笑

文法添削をお願いする時のプロンプト(指示文)は以下の通りです(「文法的に」という言葉を入れるようにしましょう)。

「変更を加えた点の詳しい説明もお願いします」と入れるとより詳しく教えてもらえます。

このような修正がありました。

2と3は間違いとは言えないレベルだと思いますが、ベターな表現かもしれません。

1はこの方が英語らしくよりクリアな表現だと思うので、変更すべきでしょう。

このように、もはや英語の先生よりも正確で的確な添削をしてもらえます

ChatGPTに最終確認をしてもらう

冒頭の部分と最後のまとめはほぼ定型なので、それらを追加して内容的に(質問に対する答えとして適切かどうか)チェックをお願いしてみます。

以下がChatGPTの回答です。

いいフィードバックが返ってきました。

とはいえ、この最終確認の作業は、さすがに人間の先生がやればよいことだとは思います。

レポートライティングで使える表現を教えてもらう

さらにこんな使い方もできます。

表現力を増やすために、ライティングで使う英語の順接表現を教えてもらいましょう。

続けて、英語の逆接表現を教えてもらいます。

このような接続表現(ディスコースマーカーと言います)は自分の知っているものだけを繰り返し使いがちですが、あまり同じものを繰り返し使い過ぎると英語として格好よくなく、減点対象となり得ます。

よく「だから」は”so”,「しかし」は”but”を使う生徒が多いですが、2級レベルくらいからはこれらの表現は適切ではありませんので、”Therefore”や”However”などを使えるようになっていきましょう。

“Nevertheless”や “Hence”まで使えたらイケメンです笑

ChatGPTにライティングのサンプル問題を作ってもらう

さらにすごいなと思うのはこの機能です。

英検®︎の過去問をベースに似たようなライティング問題を大量に生成してもらうことができます

3級ライティングのサンプル問題集

準2級ライティングのサンプル問題集

(長いので3つにカット)

2級ライティングのサンプル問題集

(長いので2つにカット)

ただし完全に過去問を反映しているわけではなく、全体的に少し難しめだと思います。またいくつかテーマが重なっているところもありますね。

ですが、英検®️ではよく聞かれそうなトピックではありますので、もっと簡潔なバージョンに変えて練習しておくと実際の試験に役立つことは間違いありません。

このようなテーマで書くことを通じて、単語や文法の使い方を学び、応用させていくことが大切です。

さらにトピックを絞るプロンプトを与えると(たとえば「scienceに関するテーマで5つください」と言った指示文)、より多様なサンプル問題を作れると思います。

まとめ

冒頭でも述べたとおり、ChatGPTは英語教育のみならず、今の教育全体を劇的に変化させると思います。

英語に関していうと、「ネイティブよりも英語が堪能で、しかも日本語で丁寧に説明してくれる先生」が側にいるのと同じことになるからです。

AIボイスもほぼネイティブと遜色ないレベルなので、リスニングや英会話に近いこともできます(今は多少音声認識力が弱いですが、今後改善されていくことは間違いありません)

これをうまく使えるかどうかで、英語の習得は劇的に効率化できるはずです。

一方で、小学生などは特にですが、初めからうまく使いこなすことが難しい点もありますので、その点でサポートが必要ですが、そこまで難しいことではありません。

一度使い方に慣れてしまえば、子ども一人でいろんなことを学べる時代になりました。繰り返しますが、「優秀な先生がいつでもそばにいる」のと同じような状況だからです。

また、AIは英語の方が日本語よりも堪能ですし、細かい要求にも答えてくれるので、その意味で、ますます英語を学ぶ必要性が高まってくるということ。

さらに、AIの技術をうまく使えるかどうかは、英語に限らず他の知識・技能の習得においても大きな違いとなるでしょう。

まだ実験段階ではありますが、授業でも積極的に取り入れて子供達の変化を見てみたいと考えております。

今回はライティングでしたが、引き続き自分でも試しながらいろいろシェアしていく予定です。

それでは。

P.S.

現段階でも、普通の公立学校に通う中学1年生の生徒にすでに2級や高校レベルのことを教えていますが、劇的な変化を感じています。

現在完了系や関係代名詞、仮定法なども教え、実際に英作文でも使えるようになってきています

私は過去に高校生や大学受験(国公立)レベルまで教えていましたが、高校生でもそのような文法を使いこなせる生徒は少ないです。

それが中学一年生で・・・。しかも指導を始めてからまだ一年も経っていません

その子が優秀というのもあるかもしれませんが、一般の学校教育よりも格段に早く英語学習を進められることは間違いありません。

早期教育をご希望の方は、ぜひ一度体験授業にお越しいただければと思います。